平成26年の4月1日から消費税率が引き上げられることがきまりました。
5%から8%に、3%の引き上げです。
取引の日で、税率が変わる
4月1日から消費税があがるからといって、4月1日以後なにかの支払をするときに、すべて消費税8%で計算するとは限りません。
消費税は取引にかかる税ですから、支払うときでなく、いつ取引したか(取引の日)で税率を判断しなければなりません。このことは、実務的にはかなり厄介です。
消費税でいう取引の日とは、いつのことを言うのでしょうか。これが税率が変わるとき問題になります。消費者を対象に代金と引き換えに物を渡すような小売業などでは、取引の日は簡単に決められます。しかし、業者間の取引、請負契約などは、消費税法で取引の日について定義があります。
例えば、卸売業者が小売業者に1か月分まとめて請求書を出すとしましょう。通常、その1か月分のうちに納めた品物について納めた日を記入して請求するでしょう。それは、収めた日を取引の日として考えているということで、消費税法でも、これを取引の日として認めています。
そこで、税率が変わるときは、変わる日(4月1日)をまたいで請求をする場合(月末以外、例えば25日を締め日としている場合)は、、同じ請求書の中に税率の違うものが混じることになります。
税率5% 税率8%
取引の日―――――――――→26年4月1日――――――――――→
「経過措置」がある
売買などは、4月1日を境に前述のように税率を変更することも可能です。しかし、契約から引渡しまで長い期間を要する取引では、税率引き上げが決まる前に旧税率で契約して実際の仕事は、4月以降になる契約もありえます。また、電気料金など、引き上げの日を含む一カ月などの期間で計算されるような取引では、5%と8%とを分けるのは困難です。
こうしたことに対応するために、いくつかの「経過措置」が決められています。
例えば、「平成24年の10月1日(指定日といいます。)前に契約した請負契約は、引渡しが平成26年4月1日以後であっても、税率5%でよい」「指定日前に契約した資産の貸付で、一定の要件に該当するものは、平成26年4月1日以後の貸付けであっても、税率5%でよいなどです。
5%が適用される請負契約
契約日 取引日
――――――→25年10月1日―――――――→26年4月1日―――――――→
一般に影響の多い例では、定期券は、3月31日前から使えるものは、期間が4月1日以後にまたがっていても5%でよい。映画演劇などの前売り入場券を3月31日までに買えば5%でよい。などです。。
「経過措置」は、細かな条件が定められています。具体的な取引が適用を受けられるかどうかは、税理士にご相談ください。
2013.10.24更新
消費税率引き上げ決定
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